日本に『カウンセリング』を輸入するということ

第3回JaRAN&HSPH合同勉強会

<発表者>

渡辺 貴英 氏

South Bay Mental Health Center
Staff Therapist

◇今回の勉強会内容:
「日本に『カウンセリング』を輸入するということ―アメリカでの
カウンセラーとしての教育、臨床体験をいかに現代日本において役立てていくか。」

普段の生活でそれほど意識せずとも、占い、飲み会、温泉、近所付き合い、
風俗etc…といった様々な『カウンセリング的概念』に囲まれて生活してきた
日本人にとって、『カウンセリング』そのものと接する機会は少なかったのでは
ないしょうか。それが昨今メディアを通じて、職場や学校、または家庭での
『カウンセリング』の必要性が大きく叫ばれているように思われます。

日本で連日のように報告され始めたDomestic Violence、NEETに関連する事件や、
依然高い自殺率といった暗いニュースの増加は、今までコミュニティ、共同体の中で
期待されてきた問題解決の限界が考えられ、より専門的な知識をもちかつ実践的
レーニングを受けた専門職の供給の必要性が叫ばれるようになって来ました。
しかし元来、受動的な人間関係の中で問題点を明確化し目的指向的問題解決を苦手に
してきた日本社会で発達した受動的かつ互助的な社会システムが構築されてきた日本で、
成り立ちからあらゆる些細な事柄を問題としてとりあげその対処方法をシステム化する
ことが重要で日本とは正反対のシステムを構築してきたアメリカのシステムが上手く
機能するのかという疑問も湧いてきます。

今回の発表では、こうした最近の傾向を踏まえながら、本当に日本人に『カウンセリング』
は必要なのか?日本文化においてカウンセリングビジネスは経済的、倫理的にどれほど
受け入れられるのか?既存のメンタルヘルスシステム改善の余地はあるのか?といった
議論を展開していくつもりです。

アメリカにてカウンセリングがどのように社会システムの中で機能しているかについては、
この国の司法制度に関わるカウンセラーの持つ権限を見ると分かります。メンタルヘルス
関する問題の早期の介入に積極的に取り組むアメリカの、CHINS (Children In Need of
Services)や常駐スクールカウンセラーといった教育体制、Department of Social
Services, Department of Mental Health を中心とした社会制度としてのカウンセリング
のありかたの紹介を行いたいと思います。その上で皆様のフィードバックを通じて、
単なる『カウンセリング』に留まらない、日本人により適合した、日本文化に溶け込み
やすいカウンセリングモデルのあり方を探っていきたいと思います。

またアメリカでの研究や仕事の成果をスムーズに日本に持ち帰るという点において、
精神医学に関わる方やこちらで学ばれている方の創意工夫、困難、そして持ち帰った際に
どのように会社や社会に還元していくのかということについての意見や展望を交換して
いくことで、より有効なメンタルヘルスシステムの輸出入についても皆様の意見を
仰ぎたいと考えています。

◇日時:1月17日(木)18:30〜20:30 (いつもより30分開始が遅くなっています。
ご注意下さい。)(その後希望者で懇親会)

◇場所:ハーバード大学公衆衛生大学院 FXB-G12
http://www.hsph.harvard.edu/about/files/Longwood_Campus.pdf
・マップ内のFXBという建物のHuntington側の入り口から入り、右側の階段を降りてすぐです。
・Tで来られる方はグリーンラインのEラインでロングウッドで下車して頂くのが一番近いです。
・お車で来られる方へ:Huntington Aveにはパーキングメーターがあります。
(ただ混み合う場合もあります) また、Longwood Medical Areaには駐車場が
たくさんありますので、そこに停めることも可能です。

◇参加申し込み・お問合せ先
参加される方は氏名・所属・関心のあるテーマ、懇親会参加希望者はその旨を記載の上、
次のメールアドレスまで1月15日(火)午後5時までにご連絡下さい。natsuko.kuwahara
AT gmail.com (担当:桑原)
(JaRAN勉強会幹事:朝山健太郎・桑原奈津子・福永文恵、HSPH勉強会幹事:松浦広明)

「アメリカでのソーシャルワーカーの役割と医療現場でのあり方につい

第2回JaRAN&HSPH合同勉強会<発表者>
田中誠
Boston College 
Graduate School of Social Work; Final Year
Cambridge Health Alliance Psychiatric Department
Ambulatory Community Service Team

◇今回の勉強会内容:
アメリカでのソーシャルワーカーの役割と医療現場でのあり方について」
先進国の中でもアメリカはメンタルへルスに関するケアが進んでいますが、その治療にあたっては様々な資格を持ったプロフェッショナルが携わっています。日本でも精神科医臨床心理士、社会保健福祉士など様々な資格を持った方々が活躍されていますが、アメリカではその中でも今ソーシャルワーカーの需要が増えてきています。

アメリカのソーシャルワーカーは病院、メンタルヘルスクリニック、社会福祉エージェンシー心理セラピー/カウンセリングをする臨床ソーシャルワーカーから政府や連法政府で行政などに携わるマクロソーシャルワーカーなど幅広い分野で活動していますが、共通しているのはいろいろな分野で人や社会の幸せ(well-being)と関わる仕事をしていることです。

今回の発表はメンタルヘルスの現場で働く臨床/心理ソーシャルワーカーについて現在インターンとしてCambridge Health Alliance Psychiatric Departmentで働く僕の経験を元にソーシャルワーカーの仕事、必要な資格、働く中で見えてきた課題や疑問、職場でのエピソード等、色々な視点からソーシャルワークの紹介をするつもりです。

今後の日本でのソーシャルワーカーの在り方について、またアメリカにおけるソーシャルワークの課題などについても様々なバックグラウンドを持つ皆さんと議論し、お知恵を頂きたいと考えています。

◇日時:12月17日(月)18:00〜20:00
(その後希望者で懇親会)

◇場所:ハーバード大学公衆衛生大学院 FXB-G12
http://www.hsph.harvard.edu/about/files/Longwood_Campus.pdf
・マップ内のFXBという建物のHuntington側の入り口から入り、右側の階段を降りてすぐです。
・Tで来られる方はグリーンラインのEラインでロングウッドで下車して頂くのが一番近いです。
・お車で来られる方へ:Huntington Aveにはパーキングメーターがあります。(ただ混み合う場合もあります) また、Longwood Medical Areaには駐車場がたくさんありますので、そこに停めることも可能です。

◇参加申し込み・お問合せ先
参加される方は氏名・所属・関心のあるテーマ、懇親会参加希望者はその旨を記載の上、次のメールアドレスまで12月15日(土)午後5時までにご連絡下さい。natsuko.kuwahara AT gmail.com (担当:桑原)
(JaRAN勉強会担当:朝山健太郎・桑原奈津子・福永文恵、HSPH勉強会担当:松浦広明)

ちなみに来月は中旬ごろ、South Bay Mental Health Centerで働いていらっしゃる渡辺 貴英 氏の発表を予定しています。

参院選惨敗記 ‐日本の政治と選挙を考える

タイトル:参院選惨敗記 ‐日本の政治と選挙を考える

氏名:小野崎 耕平

所属:自民党三重県参議院選挙区第一支部

三重県連 政策・企画特命部長


2007年7月の参議院選挙での自民党の歴史的な大敗により

参議院では民主党が第1党に、そして9月には安倍総理

が突然辞任しました。いま、政治は大きく揺れています。

ボストンに留学中の2006年に参院選候補者公募に応募して

合格。卒業・帰国後の1年あまりの政治活動を経て参院選

出馬し落選(惨敗!)した経験をお話しさせて頂きます。

公募のプロセス、街頭演説などの日常活動、そして敗戦処理

まで、当時の写真や選挙報道の様子などとともに、我が国

の政治と選挙について皆さんと共に考えたいと思います。

◆日時: 2007月11月3日(土)16:00より。その後、近辺で懇親会
★発表会: 16:00-18:00
★懇親会: 18:30-
◆講演会会場:  MITのE51-149教室

http://whereis.mit.edu/map-jpg?mapterms=E51-149&mapsearch=go

日本の医療現場における臨床心理士のあり方について」

■HSPH11月月例勉強会&
第3回JaRAN精神医学・メンタルヘルス・心理学勉強会
(11月2日(金))

◇今回の勉強会内容:
テーマ:「日本の医療現場における臨床心理士のあり方について」
「心のケア」に対する意識が高まる中、医療、教育、福祉、司法などの分野で臨床心理士の配置が少しずつ進められています。しかし、臨床心理士は国家資格ではなく、制度面・運用面においてさまざまな課題を抱えています。

今後、日本の医療現場における「心のケア」をさらに浸透させていく際、どのような課題があるのか、あるべきイメージとはどのようなものか、その実現のためにはどのように働きかけていくのがいいのか、これまでの私の病院経営コンサルタント、および産科婦人科での臨床経験(患者への心理カウンセリング、患者医療者間コミュニケーションの支援)を踏まえながら、ざっくばらんに議論し、皆さんのお知恵をいただきたいと思っています。また、医者患者間コミュニケーションについても議論のテーマとして含め、心理的支援の視点から幅広く議論をさせていただきたいと思います。

<発表者>
岸本早苗 ハーバード公衆衛生大学院 MPHプログラム2007-2008
臨床心理士、病院経営コンサルタント
前職:ベリングポイント(前アーサーアンダーセン)ヘルスケア・
ガバメントチーム シニアコンサルタント
順天堂関連病院産科婦人科佐藤病院 臨床心理士

◇日時:11月2日(金)18:00〜20:00 (その後希望者で懇親会)
◇場所:ハーバード大学公衆衛生大学院 FXB-G12
マップ内のFXBという建物のHuntington側の入り口から入り、
右側の階段を降りてすぐです。
◇Tで来られる方はグリーンラインのEライン、
ロングウッドで下車して頂くのが一番近いです。
◇お車で来られる方へ:
Huntington Aveにはパーキングメーターがあります。(ただ混み合う場合もあります) また、Longwood Medical Areaには駐車場がたくさんありますので、そこ停めることも可能です。

◇参加申し込み・お問合せ先
参加される方は氏名・所属・関心のあるテーマ、懇親会参加希望者はその旨を記載の上、下記のメールアドレスまで10月31日(水)午後5時までにご連絡下さい。
natsuko.kuwahara AT gmail.com
(担当:桑原奈津子・松浦広明 )

「日本の医療システムと医療事故ー医療システムの日米比

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■「日本の医療システムと医療事故ー医療システムの日米比較ー」

廣瀬 昌博

聖マリア病院
 救命救急センター・副センター長
 医療安全管理本部・本部長補佐
(前 京都大学医学部附属病院 安全管理室長)
(平成16年度安倍フェロー)

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■内容:

米国の医療安全活動は、1999年のIOMレポートの発表によって推進されたが、わが国の医療安全活動は同年1月に発生した某大学病院での手術における患者間違い事件によるところが大きい。医療安全活動が開始されて5年以上が経過し、その活動は医療安全のための医療安全活動である感が強く、その活動によって医療事故が著減したという実感を医療従事者、行政はもちろん国民も有していない。これは医療の安全はそのような医療安全活動によって達成されるものではなく、各医療システムが整備され機能してこそ達成されるものである。医療事故発生の主要因はわが国の医療制度の根幹にかかわるべき各医療システムが不十分であることを、1961年の国民皆保険達成以降のわが国の医療を振り返るとともに日米の比較を通じて示したい。

■日時: 10月2日(火) 18:00〜20:00 (開場17:45)
※話題に興味のある方なら、どなたでもご参加頂けます。
また、途中参加・途中退席も歓迎致します。

■場所: 
Harvard School of Public Health (HSPH)
651 Huntington Avenue Boston, MA
FXBビル G-12教室
http://hsph.jp/map.htm

医療と法〜医師が法律を学んで見えたもの(仮題)

次回は5月11日(金)の勉強会となります。ぜひご参加ください。

■演者
加藤 良太朗
ワシントン大学医学部内科
同大学ロースクールJD課程修了

■内容:
医療訴訟、薬事訴訟、知的財産などの判例を通して、法律の世界が
どうのように医療の世界にとつながっているかを検証します。
アメリカ医療の現状を分析することで、医療訴訟など法律の影響が
増す一方である現代日本の医療を考えます。

■日時: 5月11日(金) 18:00〜20:00 (開場17:45)
話題に興味のある方なら、どなたでもご参加頂けます。
また、途中参加・途中退席も歓迎致します。

■場所: 
Harvard School of Public Health (HSPH)
651 Huntington Avenue Boston, MA
FXBビル G-13教室
http://hsph.jp/map.htm

医療における安全性確保と生産性向上

4月27日にMITの秋山先生に下記内容でお話をいただきます。是非ご参加ください。

秋山 昌範
MIT Sloan マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院 客員教授
東京医科大学医療情報学講座 客員教授
Masanori Akiyama, MD, PhD
Visiting Professor, Massachusetts Institute of Technology Sloan School of Management
Visiting Professor, Tokyo Medical University, Dept of Medical Informatics

■内容:
日本では100年に一回規模の医療制度改革が行われている。医政にとっても医療機関
とっても、情報公開を前提に生産性の向上が望まれている。今回の医療法の改正で、
医療機関ごとの医療成績も公表できるようになった。しかし、生産性の向上と安全確
保は、トレードオフの問題であり、着地点が難しい。
一方で、安全性に対する国民の要求は、益々高まり、来年9月までに、すべての医薬品
にバーコード貼付が義務付けられた。米国においては、2009年1月に、カリフォルニア
州で医薬品のトラッキング記録が義務化される。世界的に、トレーサビリティが義務
化されつつある中、今後、どのように対応すべきかを考えてみる。

■日時: 4月27日(金) 18:00〜20:00 (開場17:45)
※話題に興味のある方なら、どなたでもご参加頂けます。
また、途中参加・途中退席も歓迎致します。

■場所: 
Harvard School of Public Health (HSPH)
651 Huntington Avenue Boston, MA
FXBビル G-12教室
http://hsph.jp/map.htm